同居人は無口でクールな彼



「それ、わざとやってんの?やめてくれない?」


なんのことか、さっぱり分からなかった。

でも、目の前の翔哉くんが、わたしに負けず劣らずの赤い顔をしている。


「無自覚なら余計たち悪い。そんな顔してると、なにされても文句言えないから」


自分がどんな顔をしているか分からなくて、頬に手を当てた。


熱い……

心臓もドキドキしっぱなしだし、呼吸も苦しくなってきた。


「俺も男だから、2人きりのとき、そういう顔しない方がいい」


この言葉でさすがのわたしも気づいた。

翔哉くんが、わたしを女の子として扱ってくれていることに。


それが余計に緊張させて……

ますます鼓動が高まった。


恥ずかしくてぎゅっと目をつぶった。


「だから、そういうところ。男は勘違いするから」




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