同居人は無口でクールな彼
翔哉くんに聞きたいことがたくさんある。
言いたいこともたくさんある。
離れるのは明日なのに、わたしはまだ何も伝えられていない。
次の日――
翔哉くんは約束通り、部活から帰ってくると、わたしを送っていってくれた。
大きな荷物も持ってくれて――
「翔哉くん、部活終わりなのにありがとう。荷物も持ってもらっちゃって」
「べつに。俺が言い出したことだから」
学校に行く道とは、反対方向にあるわたしの家。
そんなに長くない距離だから、あっという間に着いてしまう。
もっと長かったらよかったのに。
「あのね、翔哉くん」
「……ん」
「わたしね――」