同居人は無口でクールな彼



これが日常の会話なのかなと思った。

学校での篠原くんと家での篠原くんは、少し違う気がする。

わたしに対しての態度は変わらないけどね。


「あの、わたしが沸かしてきましょうか?」

「本当?鈴香ちゃん、助かるわ。ありがとうね」

「あ、いえ……すぐに行ってきます」


これくらいはやらないとと、急いでお風呂場へ。

お弁当のこと篠原くんに話せばよかったかなと、湯舟を洗いながらそんなことを考えた。


もう少しで洗い終わるというころに、大きな音とともに誰かが脱衣所に入ってくるのが聞こえてきた。

顔を上げると、そこには篠原くんが。

しかも、いつものように不機嫌な表情を浮かべている。


「あ、あの……もう少しで洗い終わるので……」

「あのさ」


わたしの言葉をさえぎるように、篠原くんは言葉を重ねてきた。





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