同居人は無口でクールな彼
わたしに断られたことがプライドを傷つけたのかもしれない。
目の前の相手はわたしを威圧的ににらみつけてきた。
「部活があって……」
「は?いつも部活あっても代わってくれるじゃん。どうしてウチのは代わってくれないの?」
理不尽に責め立てられているのに、まるで本当にわたしが悪いみたい。
息が苦しくなって、なかなか次の言葉が出てこない。
「あ、あの……」
「は?なに?はっきりとしゃべろよ」
相手の口調も次第にきつくなって、ますます肩に力が入る。
伝えたいのに、うまく言葉にできない。
苦しくなって、ギュッと目をつぶると、真横をすっと誰かが通り過ぎる風を感じた。
「あんたさ、自分の仕事は自分でやれよ」
どうして、来てくれたのかは分からない。
でも、確かにわたしのことを助けようとしてくれている。
そっと目を開けると、翔哉くんがぶっきらぼうに彼女をにらんでいた。