【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
 もしかしたら婚約者の居る未婚の貴族令嬢なんて、既婚の貴婦人より手を出したら面倒くさい相手であることには間違いない。貴族令嬢として嫁ぐためには、結婚初夜まで純潔の証を守らなければならない立場がゆえに、一夜の戯れの相手にもなり得ないのだ。すこし興味があるからと言って、軽い気持ちで手を出せる存在ではなかった。

 そして、ティタニアは現イグレシアス伯爵カールのただ一人の娘であり、彼自身も一人息子であったため主筋の直系の継承権を持つ者は彼女しかいない。そのため、ティタニアと結婚するということは、次期イグレシアス伯爵になるということだ。何もないこの緑深き森の中で、けして豊かでなく多いとは言えない領民達の生活を守り背負わなければならない。

 貴族の令嬢として生まれたからには家のための政略結婚は義務であり、それこそが存在価値ですらある。自分が今、庶民には決して出来ない裕福な生活が出来ているのは、領民達から集められた税のおかげなのだ。自由恋愛が難しいことなど、聡明なティタニアは幼い頃から早々に理解をしていた。

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