【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
 そのナイフのように鋭く突き刺すような、言葉に、ティタニアは何も言えなかった。まるで、それは心の奥底で指摘される事をずっと恐れていたことではないのだろうか。

 確かに、スノウは何度も何度も、ティタニアを運命だと、そう言った。

 彼は運命だから、だからこそ、ティタニアに恋をしたのだ。その事実を今突きつけられ、ティタニアの心は打ちのめされた。

 何度も何度も言ってくれた愛の言葉も、優しい眼差しも、温かな抱擁も、与えられたその理由はティタニアだからじゃない。自分が彼の運命の番だからだ。その事実から今まで目を逸らそうとしていたのは、ティタニアが彼のことをどうしても好きで、あの自分にのみ差し出される大きな手を離したくないと、そう思ったから。

「じゃあ、君が選べ。知らなかったとはいえ、弟を何年も苦しめたのは、君自身だ。君を好きだというその気持ちも、それは、あいつの意思じゃない。無慈悲な悪魔に選ばれたかのような苦しい運命から、解き放つのか。それとも、そこにあいつの意思がないとしても、自分に縛り付けるのか」

 ネージュは、何も言わないままのティタニアに優しい口調で続けた。

「君こそが、選ぶんだ」

 彼がティタニアに会いに、ノーサムにやってきてからのことがまるで頭の中に流れていくように、思い出された。スノウはいつも、ティタニアのことを一番に思ってくれた。幸せの邪魔になるならと長い間自分の欲求を我慢していた、元婚約者ジュリアンの非道な行いに怒り、告白を断ってもずっと諦めなかった。ひたむきにずっと愛してくれていた。

 目の前に座るネージュから視線をずっと外せぬままに、ティタニアはゆっくりと頷いた。

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