【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
「ティタニア! ただいま。遅くなってごめん。もう夕飯食べた?」

 スノウはにこにこ笑いながら、ティタニアの部屋に入ってきた。急いで帰ってきたそのままなのか、不思議な色合いの髪は乱れて息は荒かった。その姿に苦笑してから近づいて、髪を整えてあげると彼の頬に両手を当てた。

「……おかえり。スノウ。ほっぺた冷たい。お風呂入ってきたら? 私、夕飯はもう食べちゃったの」

 微笑み返したティタニアに頷いてから、ちゅっと音をさせて彼は頬に冷たい唇でキスをした。

「俺もすぐに食べて風呂も入ってくるから、もうちょっとだけ待ってて」

 身を翻して慌てて出ていくスノウに苦笑してから、ティタニアは自分の右腕に嵌っている腕輪を見た。輪の部分が大きくて女性の腕の太さでは肘まで落ちてしまう。何の変哲もないような銀色の金属で出来た、飾り気のない腕輪は昼にネージュから渡されたものだ。

(彼の運命を変えることの出来る。そんなものが、本当にあるなんて……)

 それは獣人のスノウを運命の番から解き放つことの出来る、不思議な力を秘めているらしい。あのネージュがそう言うのだから、きっとそうなのだろう。彼はそういった冗談なんかを言う類の人ではないことはわかっていた。

 両手の中でくるくると回る腕輪を弄りながら、ぼうっとしていたティタニアは再度勢い良く開いた扉の方向を見て、微笑んだ。

「ティタニア! 戻ったよ。どうしたの? それ、腕輪?」

 不思議そうにティタニアの持っている大きな腕輪を見たスノウは言った。その言葉に微笑み、スノウを手招きした。

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