【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
 自分で決めたはずの彼との別れはつらく、心臓を抉られるような痛みを与えた。これでもう、スノウはティタニアのことを何とも思わなくなるはずだ。運命の番という不可思議な執着の糸は切られ、彼の心は自由になるだろう。

 その記憶はどうなるのだろうか。運命の番であったティタニアのことを綺麗に忘れてしまうのか、それとも好きだった気持ちが拭い去られるように消えてしまうのか。けれど、ティタニアはもう、その結果をこの場所で見届けるつもりはなかった。早く彼の元から離れるつもりだった。

 手早く雪山に行く前に購入した温かな外套を出して、旅支度を整えた。イグレシアス家の従者たちはもう、城の外で荷物を運び込んでいる馬車で待っているはずだ。

 ティタニアはもう、スノウのことを見なかった。見れなかった。どれだけ、彼のためだとそう思っても、辛かった。本当の気持ちはどんなに非道だと卑怯だと言われようが、彼の番のままで居たかった。

 けれど、それを選んでしまえば、もうそれは、ティタニアではない。どんなに彼が好きでも、自分だけの気持ちで縛り付けることを選びたくはなかった。

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