【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
 自分が生まれ育ってきた城館をこうやって見下ろすことが出来るなんて、今まで思ってもみなかった。長い歴史を感じさせる古めかしい様相の灰色の屋根の上に、何匹かの白い小鳥がやって来て、すぐに青い空へと飛び去った。

 今まで下から見ているだけだった巨木の上部ある枝はそれだけで丸太のように太く、ティタニアを背に乗せ、大きな雪豹に獣化しているスノウはその上にそろりとした危なげない動きで身を伏せた。

 この前、何かしたいことがあるのかを聞かれて、獣化している彼に乗って森を駆けてみたいと言ったら、驚いた顔をして微笑むと二つ返事で引き受けてくれた。貴族としての責務を持ち自由に出来る時間が少ない二人が、今日ようやくノーサムの森へと来ることが出来た。

「こんなに高いところから見ると、あんなに遠くまで見通せるのね。向こうの街まで見える。すごく綺麗」

 まるで雲の上に住むという神様の視点のような、一生に一度も見ることが出来る人があまりいないであろうその光景は美しかった。

 目を細めてはしゃいだ声を上げるティタニアを振り向いて、スノウは言った。

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