私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜

雪見(番外編)

久しぶりに視界一面に広がる白い雪。銀世界を見たティタニアが思わず感嘆の息を吐けば、冷たい空気の中で白い息が漏れた。

(そうだった。忘れてた……ここでは、温かい息が白くなってしまうんだわ……同じ国なのに、真逆と言えるくらいに、全然気候が違うんだもの。本当に不思議ね)

 スノウの兄二人のニクスとネージュの二人が母親オルレアンの末妹が嫁いだ地方へと遊びに行くのに同行しているので、いつものように一人だけ取り残されてしまったプリスコット辺境伯シュレグが多忙だと三人目の末息子へと泣きつく手紙を出した。

 イグレシアス伯爵家に既に婿入りをしているが、家族思いのスノウは父を手伝うために帰りたいと、義父へ希望を出し快く許可を出して貰った。

 だが、スノウはティタニアが一緒でないと自分は帰らないと言い張ったので、何故かティタニアも同行して雪国プリスコットへと来ることになってしまった。

 一度離れた際に彼女が危険な目に遭ったこともあり、ほんの一時だとしてもスノウはティタニアから離れることを嫌がるのだ。

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