【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
 それが彼の神経を逆撫でするとわかってはいても、我慢できなかったのだ。それに、無遠慮に触れられた手首をとにかく早く放して欲しかった。生ぬるい人肌の熱が伝わって来て、ひどく不快に感じたからだ。

 ジュリアンに、触れられたくない。

「プリスコット家のあの二人だ。主家の三男と、傍系ライオールの嫡男か。この俺がいなかったら、イグレシアス家を継がなければならない君には、願ってもいない婿候補になりうる存在だな? ああ、でも……逃げるのは、せめて結婚してからにしてくれ。俺が伯爵になった後なら、君がどこの誰と逃げようが、気にしない。むしろ、早目にいなくなってくれると、好都合なんだが」

「お言葉ですが……」

 苛立つ気持ちを押し隠して、何度か手を離させようとするが、その意図がわかっているはずの彼の手の力は緩まない。

 ティタニアが嫌がることをわかっているかのように、ますます握る力が強くなっていくようでもある。より近づいてくるジュリアンの顔に嫌悪感を隠せなくて、ティタニアは我慢出来ずに顔を背けた。そして、彼は不快に感じる生温かい息を吹きかけながら耳元で囁いた。

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