【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
 けれど、利発だったティタニアがあるひとつの結論に辿り着くまで、そう時間はかからなかった。彼は「尊い高位貴族の一人であるはずの自分が、庶民からの成り上がりに過ぎない隣人に金で買われた」と、わかってしまったのだ。

 それはある意味、事実だった。ティタニアとジュリアンとの婚約を整えるために、祖父は庶民には想像もつかない、途方もないお金をストレイチー家に積んだはずだ。

 幼い彼の貴族としてのプライドをズタズタに傷つけてしまったのは、イグレイシス伯爵家だ。それには、幼いティタニアも訳が分からなかったとしても、それに加担していた。だから、いつも彼に何も言えないままで、終わってしまうのだ。

「あいつらに色目を使っても構わないけど、処女はちゃんと守りなよ。婚約不履行で訴えられたくはないだろう。ふしだらな庶民の血が入ってるから、難しいかな?」

「おい」

 昨日初めて聞いたばかりの低いその声を聞いて、弾かれたようにティタニアは顔を上げた。ジュリアンを睨みつけ、ティタニアの手首を持つ彼の手首を更に持っているのは、さっきまで演習場の隅に居たはずの人だ。

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