【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
 ふわっとした毛が鼻に触れて、むずむずしてしまう。みっしりとした密度の濃い綿が体を取り巻いているようなそんな感覚を不思議に思ったティタニアは、ぱっと目を開けた。

 目の前には、薄明かりにも映えて見える白。茶色の斑点が無数に散っていた。昨夜見たばかりのある、スノウのやわらかな白い毛皮だ。そして、つよいお酒の匂い。質の良いものだとは思うが、量が多いのだろう。濃密とも言える酒精の匂いが部屋の中で漂っている。

 彼はしたたかに酩酊しているのか、隣に寝ていたティタニアが起きたのにも気がつきもせず、可愛らしい寝息を立てている。色素が薄いからか、ピンク色の逆三角形の鼻がまた愛らしい。

(今夜も……来たんだ。目を閉じても、こんなにこわそうな顔をしているのに、すごく寝息がかわいい)

 ティタニアは何も言わずに、ふわふわとした頬を撫でた。その凶暴と言える顔に似合わない音で喉をゴロゴロと鳴らした。あんまりにもそれが可愛く思えてティタニアはその体をぎゅっと抱きしめた。

 温かな毛皮は、とても気持ちの良いものだった。あの精悍で大きな体をしたスノウとこの目の前にいる毛皮の塊が、どうしても同一視出来ないのだ。ティタニアは生まれた頃から王都にほど近いノーサム地方で暮らしていて、地方により多く居る獣人たちとあまり関わりがなかったためも大きいだろう。

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