【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
 彼が手にしている鉱山の権利書類は、ティタニアにとってはとても大事なものだった。愛してくれた祖父が、自分のためにと唯一遺してくれたものでもあるし、この先も定期収入が見込める鉱山は、父の苦しい領地経営の助けになるだろう。

 ジュリアンはそれをまるで単なる換金価値のある紙切れのように扱い、こうして不在の隙に盗もうとして見つかり、それでも開き直ろうとする無様な態度を見て、どんな時にも誇れる自分でありたいと考えていたティタニアの心は、見事に折れてしまった。

 こんな人と離れられるなら、もうどうなっても良いと思えるくらいには。

「……わかりました。それを差し上げます。ですから、どうか貴方の方から婚約解消を申し入れて貰えませんか。そうしたら、もう何も言いません。ストレイチー家とはこの先、出来るだけ関わらないと誓います。だから……」

 視線を合わせ、淡々とそう言ったティタニアにジュリアンははっと声を出して嘲笑った。

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