【コミカライズ】私の運命は、黙って愛を語る困った人で目が離せない。~もふもふな雪豹騎士にまっしぐらに溺愛されました〜
 幼い頃から長い期間ティタニアを悩ませながら続いたジュリアンとの婚約の解消の事務手続きは、肩透かしとも思えるくらい本当に呆気なかった。双方の家の間で書類が交わされ、粛々と貴族院への提出の日取りなども決まり、いつも通り父の仕事を手伝う忙しい日々過ごしている内に、ティタニアの婚約者はいなくなっていた。

「ティタニア? 聞いているかい?」

 カールの心配そうな声にティタニアははっとして顔を上げた。昼食を共に取っていた三人は、なんとも複雑そうな表情でこちらを見ている。スノウとユージンが今日仕事が休みだったので、このところずっと浮かない顔をしたティタニアに久しぶりに彼らと明るいテラスで昼食を取ろうと言い出したのはカールだ。

「……最近、仕事に棍を詰めすぎじゃないかね。手伝ってくれるのは嬉しいが、今はとり急いだ案件もないし、旅行でもして来たらどうだい?」

 このところ何も考えたくなくて、夜遅くまで書類に向かっていた。曖昧に笑ったティタニアの隣でユージンが明るい声でその提案に乗った。

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