ただ1人の皇女様
ニッコリ笑うラインハルトに少し落ち着いた。



ここに...あの皇帝陛下がいる



「ではどうぞ」



ドアをゆっくり開けると正面には皇帝陛下が書類を片付けている姿が目に飛び込んだ。




中もとってもシンプルでソファに机、壁には大量の本棚が並べられていた。




「陛下。リズナリア姫様が起こしになられました。」




ドクンッドクンっドクン...



し、心臓が凄いスピードで鳴ってる、この音子供が鳴らしてよい音なのか...




目の前にいる人は記憶と何ら変わっていない容姿だった



そしてチラッと陛下が私を見た。



私は初めて殺気の無い瞳を向けられた



それが無性に涙腺を刺激した。



こんな瞳で私を見てくれたっ...何の感情も無い目だけどそれでも嬉しい




「っ...うっ...ヒクッ」



「ひ、姫様!?」



「...何故泣く」



心配しているラインハルトと眉間に皺を寄せて見ている陛下。



「じゅっと...じゅっと会いたくてっ...」

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