旦那様は征服者~慎神編~
「今日、ありがとね!凄く嬉しかった!」
「初めて、会社サボっちゃいました…」
「嬉しい!」
「え?う、嬉しいですか?」
「だって、仕事より僕を優先にしてくれたから」
「軽蔑、されるかと思ってました…」
「そんなの、あり得ない!
もちろん、誉められたことじゃないけど…僕は、とっても嬉しい~」

「なんか…慎神くんに“安心”をちょうだいって言われて、とにかく嫌われたくないって思って…仕事のことなんかどうでもよくなっちゃって……」
「うん」

「…………すき…」
消え入りそうな、小さな莉杏の呟き……

「え……?り…あん…?」
「すき…です…」
「莉杏…もう一回……」
「好き…」
「聞こえない…」
慎神の顔が更に迫り、もう…口唇が重なる寸前だ。

「慎神くん、好きです!」
慎神を真っ直ぐ見て言った。

「まだ、聞こえない!」

「え?もう、恥ずかしいです…」
「やだ!聞こえないもん!もう一回言って!」

「慎神くん、好きです!」

「フフ…もう一回!」
「え////もうご勘弁を…////」

「フフ…莉杏」
「はい」
「僕は…」
「はい」
「愛してるよ!」

慎神がとても嬉しそうに笑って、莉杏の口唇を塞いだ。

ダイニングに向かうと、豪華な食事が並んでいた。
「す、凄い…」
「好きなだけ、食べて?」
「あの、これを奏瑪さんが?」
「そう。僕が買ってる男なの」
「買ってる?」
「うん。
ほら、食べよ?」
「はい。
いただきます!
━━━━━━ん!美味しい~!慎神くんはこんな美味しいお食事を毎日食べてるんですね!羨ましい~」

「莉杏、奏瑪が欲しいの?」

「へ!?」
「だって、羨ましいって……
莉杏は、僕のこといらないの?」

「あの…何故、そのような解釈に…?」

「莉杏、言ったよね?
俺を…不安にさせるな…って……」



あ……スイッチが入った……?


「んぁぁ……やめ…慎神く…ほん…と…やだぁ……」

身体中に、慎神の口唇や舌や歯が乱暴に食らいついてくる。

「ほら、莉杏。
頑張って受け止めろよ……?
俺を不安にさせた、罰だから……!
「んんっ…!!
やぁ……んぁぁ……」

逃げても逃げても、追いかけるように慎神が食らいつき、全身に慎神のキスマークと歯形が刻まれていた。

「莉杏…可愛い……」
まるで叫ぶように声を出し続け、莉杏は次第に意識が朦朧とし失神した。


少しずつ……慎神が、莉杏の中に侵食していった━━━━

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