いつまでも、君が大好きです。
私は、そこで一度お母さんと離れたあと、検査用の服に着替えさせられた。
そして検査室でCT検査、MRI検査など、いくつかの検査をした。
服を着替えて、お母さんの待つロビーに戻ったころにはもう夜の七時を過ぎていた。
「お疲れ様でした。結果が分かるのは一週間後なので、もう一度ここへ来てください。」
「分かりました。ありがとうございました。」
「では、お気をつけて」
病院を出ると、どっと疲れが押し寄せてきた。
「今日はどっかで食べて行こうか。」
「、、、うん。そうだね。」
「、、、大丈夫よ。美奈ならきっと。」
、、、え?
「美奈は悪い病気じゃない。もし何かの病気でも、美奈ならきっと大丈夫。絶対乗り越えられるよ。」
ね?と言うような笑顔で、私の顔を運転しながら横目でのぞき込むお母さん。
「、、、そうだね。私なら、乗り越えられる。」
私は、笑った。笑わないと、お母さんを不安にさせてしまうと思ったから。
でも、やっぱり引っかかっているものがある。
検査をする度に見せた、木下先生の不安そうな表情。
私のことを真剣に見ていた、あの目。
どうしても、忘れられない。
「よし、今日はハンバーガーだ!」
「お、やったー。」
でも、私は知らないフリをした。
気づきたくなかったんだ。
私の体に迫っている、終わりを。
今も蝕んでいる、私の体に潜むその正体を。
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