いつまでも、君が大好きです。
私たちは、桜並木の道をゆっくり歩きながら、菜都と他愛ない話で盛り上がった。
そして、桜が綺麗なところでは、2人で写真を撮ったりして。
私たちは、思い切り楽しんだ。
しばらく歩いて、反対側に桜がよく見える丘に2人で座った。
「桜、思ったよりまだ咲いてたねー。」
「そうだね。もうすぐ5月なのに、、、。」
もうすぐ5月。
それは、私が死ぬまでのタイムリミットも近づいているということ。
「、、、こうやって、桜って散っていくのかな。」
「え?」
菜都はキョトンとした感じでこっちを見る。
「あ、ううん。なんでもない。」
「なんか、今日の美奈、変。」
「あはは、私もそう思う。」
その時、私たちの間に暖かい春風が吹いた。
そして、風といっしょに沢山の桜の花びらが散って、私たちの上で舞踊った。
その光景があまりに綺麗で儚くて、どうしても今の自分の状況と並べてしまう。
「あのね。私、菜都に言いたいことがあるの。」
「あ、そうだったね。なんなの?」
私は、一呼吸ついて、ゆっくりと口を開いた。

「私、死ぬの。」

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