いつまでも、君が大好きです。
次の日。
学校に行くと、昇降口の前で菜都が待っていてくれた。
「おはよ。美奈。」
「おはよー。」
2人で靴を履き替えて、教室に移動する。
その間、菜都は1度も病気のことを口に出さなかった。
私は、そんな気遣いをしてくれる菜都の気持ちが嬉しくて、つい頬がゆるむ。
私たちのクラスである、2年2組に向かう途中、私はあるクラスを横目で覗き込んだ。
2年1組、とかかれたその教室の1番右前の席。
朝練終わりなのでか、薄いカッターシャツを七分丈に折り曲げて、友達と楽しそうに話している彼。
「、、、、湊都、、。」
その横顔が格好よくて、やっぱり見とれてしまう。
ちょっと覗こうとしただけだったのに、やっぱり立ち止まって見てしまった。
「美奈、、、。いこ、、、?」
「あ、、、うん。」
その時、湊都の目線がこちらを捉えた。
ばっちり目が合ってしまった、私と湊都。
湊都はパァっと表情を明るくさせて、こっちに向かってくる。
「2人ともおはよ。」
爽やかな笑顔で話しかけてくる湊都。
今日は絶対話したくなかったのに、、、。
「あぁ、、おはよ。」
菜都が気まづそうに返事する。
そうさせているのが申し訳なくて、俯いてしまう。
「朝来るの珍しくね?どした?」
「ううん。なんでもない!」
湊都に見惚れてたら気づかれた、なんて絶対言えない。
「ふーん。変なの。」
「じゃあ、また来るね!」
そういい、私たちはまた歩き出した。
湊都はなにか言いたそうだったが、私は気付かないふりをして教室に入った。
< 34 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop