一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
その不安と、期待とで顔が赤くなっていないことを祈りながら、私がガチガチに固まっていると、鷹也さんは暖かな手でするりと私の頬を撫でる。
それだけでやけに安心して身体から力が抜けた。
「環境がガラッと変わって心細くない?」
「いいえ、まったく。だって、ローマはすごく好きな街だし、また来たかったですし」
そして、まっすぐ鷹也さんを見て続ける。「……鷹也さんもいるから」
そう言ったとき、すぐに唇が合わせられた。
挙式の時にもした軽いキス。そのあと、すぐに何度か口づけられて唇が離れる。
なんでキスってこんなにうれしいけど恥ずかしいんだろう。
私は顔を下に向けて頬を自分の手で覆う。
「キスも式の時が初めてだったよね?」
「……は、はいっ。すみません、う、うまくできなくてっ……」
正しいキスがよくわからない。
緊張で固まってしまうし、歯を当ててしまいそうで怖い。
(鷹也さんに、なにか迷惑かけてないだろうか?)
そう思って鷹也さんを見上げると、鷹也さんは私を強く抱きしめた。
「ごめん、我慢できないみたい」
「へ?」
ひょい、と軽々持ち上げられ、ベッドルームに連れていかれる。
そのまま広いキングサイズのベッドに優しく置かれ、それから何度もキスを交わし、鷹也さんのキスは私の全身にも落とされた。