second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
でも、ここで怯んだら、今田さんご夫婦をもっと不安にさせてしまう
『ええ・・・問題ありません。』
「だって、赤ちゃんの心臓が・・・」
赤ちゃんの心臓はお母さんのお腹にいる間には問題は生じない
問題が生じるのは、生まれてからだ
生まれたばかりの赤ちゃんの心臓の中は数時間で大きく構造が変化をする
それをどうやって伝えたら理解してもらえるか
橘クンが胎児エコー検査をしてくれてから1週間
彼が予測している2つの疾患についての勉強はした
心臓の模型図も準備しておいたけれど、DORV(両大血管右室起始症)か修正大血管転位症のどちらかまだはっきりと診断できていない状況
しかも、修正大血管転位症という病気は本当に稀な疾患
いざ今田さんに説明をしようとしても、どこから話していいのか正直自分でもわからない
どうしよう・・・
「それに関しては、小児科医師の僕から説明させて頂きます。」
いつのまにか姿を現していた橘クン。
彼は患者さんにも見やすい人体解剖イラスト本を開きながら、丁寧かつ具体的に説明をし始めた。
「赤ちゃんは生まれる前と生まれてからの血液の流れ方が変化するんです。今田さんの赤ちゃんの心臓はお母さんのお腹の中にいる間は問題ありません。」
「お腹にいる間は大丈夫なんだ・・・」
「ええ・・・生まれてから動脈管という穴・・・この穴が閉じてしまうことによって血液の流れに問題が出てくるんです。」
橘クンは新生児の心臓の解剖イラストを指さしながらそう説明している。
そのイラストも医学書のような、目を逸らしたくような解剖写真ではなく、タッチの柔らかいイラストで、今田さんご夫婦も食い入るようにそれを見ている。
橘クンの、患者さん側の視点を大切にする優しさが滲み出ている対応だと思う
それは今のあたしには足りていなかった視点かもしれない。
あたしも彼の説明から勉強させてもらおうと、今田さんと同様に丁寧に彼の説明に耳を傾ける。