second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「お疲れ様でした。これ、飲みますか?」
『うん。おしるこ?』
「ジャスミンティーと迷いましたけど、今日はいっぱい頭を使ったから甘いもののほうがいいと思いまして。」
『本当、そんな気分。ありがと。』
今田さんとの面談を終えた昼休み。
その面談前から緊張状態だったあたしは面談後、その緊張感から解放され、天気のいい屋上で一息をついていた。
そこに橘クンがやってきた。
いつものように温かい飲み物を持って。
『志賀クンに今田さんフォローの指示出してくれてありがと。本当はあたしが指示しなきゃいけなかったのに・・・』
「俺も今田さんの担当チームの一員ですから。」
『助けてもらってばかり・・・おかげさまで今田さんご夫婦に今後の方針について理解して頂くこともできたし。』
「カッコつけたいだけですよ・・・奥野さんの前で。でも、俺も助けてもらっています・・・周産期センターという新しい挑戦をして下さっている奥野さんに。」
『そんなこと・・・でも、周産期センター、心強いって改めて思った。』
「俺も・・です。」
ここ最近、周産期センターの本格的稼働に向けて、あたしも産婦人科部門長として、患者さんを診る以外にも管理業務も加わり、病院にいる時間が増えた。
もちろん新生児部門長である橘クンと院内で過ごす時間も増えている。
でも、院内でこうやって顔を合わせている時の橘クンは、あたしに対して相変わらずの敬語対応。
先輩であるあたしへの敬意を持ち続けてくれているからこそかもしれないけれど、彼のことがスキと自覚してしまっている今はそれがもどかしい。
それをなんとか変えたいあたし。
『恭・・・』
「・・・奥野さん?」
橘クン呼びをふたりしかいない今だけ変えてみたけど、彼はちょっぴり困った顔をしてあたしを奥野さん呼びする。
恭も橘も俺だ・・って言ってくれたのに
そんな困った顔しないで欲しいのに・・・
『きょう・・・』
お互いに忙しすぎるから、ようやくふたりきりで顔を合わせた今ぐらい、みんなの橘クンではなく、あたしだけの恭になって欲しい
勝手にそう思ってしまうあたしは
我儘なのかな・・・?
「あ~、もう、ホント、ダメ。」
『えっ、ダメ?』
「みやび・・って呼ぶの、我慢してたのに・・・」
『・・・きょう・・も?』
「雅に、”きょう”・・ってそんな甘えたな声で呼ばれたら、もうホント、こんなところでやっちゃいけないようなことをし始めるから・・・俺は。」