second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「・・・・・」
『・・・・・・』
その音でお互いに目を合わせる。
彼の目から伝わってくる・・・患者さんのためのコールに応えなきゃいけない橘クンとあたしをこのまま抱いていたい恭が背中合わせになっていることが。
「なんで今・・・・」
『・・みんな、橘クンのこと、待ってるから。』
溜息混じりにそうこぼした彼に
あたしは精一杯やせ我慢をしてみる
小さく頷いた彼はPHSの応対をし始めた。
しばらく黙って電話相手の話を聞いていたみたいだけど、もう少ししたら行くからと言って電話を切った。
「みやびは・・・?」
突然、あたしのほうに向いた彼の意識。
『えっ?』
「みやびは、待っていないの?俺のこと」
『あたしは・・・大丈夫。だから早く行ってあげて。』
そのやせ我慢にも気がついてしまう彼に
さらに強がるあたし
本当は彼にここに居て欲しいのに
「まだ甘え足りない・・だろ?」
『・・・でも・・・』
「俺は甘やかし足りないし・・・俺もみやびに甘え足りない・・だから・・・」
突然、橘クンは院内PHSを手に持って、ストラップの金具に指をかけ、何をしているのかわからないぐらい早く指を動かしている。
甘やかし足りない
甘え足りないという話をしていたのに
何をし始めるんだろう?
何かを外そうとしているけれど
それが彼の手の中に隠れてしまっていて見えない・・・・・
『えっと・・・ストラップの金具、壊れた?』
「ううん、違うよ。」
『だって、今・・・』
「はい、コレ・・・渡しておく。」
金具を外すのに集中しすぎてあたしの問いかけにも振り向かなかった彼が、ようやく顔を上げ、笑顔で手の中に隠れていたものを見せてくれた。
今ここにあるとは思っていなかったものが彼の手のひらの上に乗っていた。