second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
バツが悪くなったあたしとは対照的に
明らかに綺麗な弧を描いた口元の橘クン。
本当に嬉しそうでこっちまでつられて笑顔になってしまう。
『だ、大好物?!』
「大好物で大歓迎。俺ばっかり独占するのも悪いしね。」
『俺ばっかり独占って?』
「また佐藤さんに怒られるな・・・奥野先生の立場も考えなって。」
『えっ?何?』
内緒!って意地悪な笑みを浮かべながら、あたしの首筋を彼は人差し指ですっと撫でる。
「でも今度は化粧で隠しちゃダメ。みやびは俺のだって証拠、残しておいたから。」
『まさか・・・』
「志賀クンも、年上好きって言ってたからな・・・」
そういえばさっき、恭が首筋にキスを落としている時に一瞬、チクリとした感覚があった
その時は気持ち良すぎて、その感覚にいちいち反応する余裕なんてなかったけれど、多分、それだ
まさか、また他人から見えるところにキスマーク付けたの?!
ちょっとどれぐらい目立つか確認しなきゃ・・・・
「あと、コレ。やっぱり雅が持ってて。使う使わないは雅に任せるから。」
彼の指で撫でられた首の部分に気を取られているうちに、白衣の胸ポケットにストンっと投げ落とされたもの。
『は?今度は何?』
「俺の大好物の素。それ、使ってくれたら、雅が降参って白旗挙げるまで甘やかすから。」
それはさっきも目にした彼の合鍵。
使うか使わないかはあたしに任せるって
それは、あたしの気持ちを優先してくれているってわかるからありがたいし、嬉しいけれど、責任重大だよ
『ちょっと!!!!橘クッ!!!!!』
チュッ!
あたしがそれをどうしたらいいのか確認する前に、彼はさっさとあたしの唇からキスを奪って、“それじゃ、コール対応行ってきます。”とだけ言い残してこの場から立ち去ってしまった。
『もう・・・相変わらず、あまあまな強引さ健在なんだから・・・』
あたしはいつのまにかゆるゆるに緩んでしまっていた頬を軽く叩いて、仕事モードの顔になるように気合いを入れた。
そして、白衣の胸ポケットに投げ落とされた彼の自宅の合鍵をそっと手に取り、白衣の腰ポケットに入っていた手帳のカバーポケットに挟み込んで大切にそれを仕舞ってから自分も病棟へ向かった。
その後、橘クン同様に、あたしも通常業務だけでなく、周産期センター管理業務によっても多忙を極め、その合鍵を使う時間も余裕もなく、時が流れた。
ピピピっ、ピピピっ
『はい、周産期センター産婦人科の奥野です。』
「産婦人科外来看護師の沢木です。奥野先生担当妊婦の今田さん、陣痛15分間隔と電話がありました。まだ来院を待つように伝えますか?」
『いいえ。ハイリスク胎児出産だから、もう来院してもらうように伝えて。』
「わかりました、伝えます。」
『あと、橘先生、小児循環器の日詠先生・・・早紀先生にもコールして下さい。』
「承知しました!」
とうとうあたしは周産期センターチームの皆と共にセンター初めての大きな壁を乗り越えようとする時を迎えた。