second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結
「奥野さん。」
『橘クン、ごめん、忙しいのに。』
「大丈夫。NICUは他のドクターがちゃんと診てくれていますから。」
『ありがと。ベビーのウエイトはエコー上では2500g超えてそうだけど、一応・・』
「保育器、オープン、クローズ、どちらもスタンバイさせてあります。」
『助かる!』
今田さんは出産予定日よりも1週間早く陣痛が来た。
それもあって橘クンの今日は、まだ本格稼働前で受け入れ患者がいなかった周産期センターではなく、NICU勤務だった。
それでもタイムリーに対応してくれる彼には頭が下がる。
でも、タイムリーなのは彼だけではなく、
「橘先生、心エコー(心臓超音波検査)、スタンバイさせておいた。私が検査しようか?」
「早紀先生、ホント助かります・・・って日詠先生も?!」
「ああ・・・早紀に付いてきちゃった。ベビーの分娩からの経過も見ておきたいと思ってね。イキイキしている早紀の姿も見ておきたかったし。」
「あ~、わかります。僕も奥野さんの雄姿、見ていたいですもん。」
「橘先生、ダダ漏れしてますよ。奥野先生大好きなところが・・・そういうの、仕事終わってからにしてくださいって!・・・新生児用聴診器、スタッフルームに忘れていましたよ。」
「あ、いけね。佐藤さん、ありがとうございます。」
適度に緊張感を持ちながらも、あたしを落ち着かせてくれる周産期センター新生児チームもそう。
彼らは和気藹々(わきあいあい)と会話をしている。
今田さんの、今から生まれてくるベビーはまだ心臓の手術する時期ではないのに、小児心臓外科の日詠先生までも足を運んで下さっているのには驚かずにはいられない。
「橘先生、面談室もちゃんとスタンバイしています。」
「志賀クン、さすが。もちろん面談、参加してくれるんだよね?」
「もちろんです。これまでも今田さん夫婦の心理ケアしていましたから。」
「頼んだ!奥野さんも志賀クンのこと、頼りにしてるから。」
橘クンの言う通り、あたしが頼りにしている臨床心理士の志賀クンも。
『よ~し、まずはあたしだよね。頑張る!行ってきます!』
あたしは、周産期センター新生児チームからの”奥野先生、ファイト!”というエールに背中を押され、今田さんのいる陣痛室へ向かった。