second love secret room クールな同僚医師の彼に溺れる女神:奥野医師&橘医師特別編完結


その直後、

「奥野さん!」

背後から橘クンがあたしを呼ぶ声が聞こえた。



「奥野さんから受け取ったベビーは、必ず助けて、日詠先生の手術へ繋げます。」

『橘クン、どうかお願い。』


穏やかな笑みを浮かべコクリと頷いた彼。
じゃあ、行ってくると彼に告げて、また走り出そうとしたあたし。



「雅・・・」

『えっ?』

また彼に呼び止められた。
しかも、今度は雅呼びで。


彼があたしを雅と呼ぶ時は、いつもの従順な後輩橘クンとは違って、包容力がハンパない

つまり、あたしを大切に想いながらココロもカラダも抱きしめてくれる恭がすぐそこにいるということ

ここ最近、白衣を着ている時でも、恭が現れることが多くなった気がする



「大丈夫だ・・・任務をやり切った雅も俺が受け止める。」

『・・・恭・・・』

「受け止めて、雅が白旗挙げるまでたっぷり甘やかしてあげる。もうダメ、無理って言うまで。」

『きょう!!!・・・も~う、こんな時に。』

「ははは。みやびが悪い。かわいく、きょうって俺を呼ぶから。」



多分、周産期センターという新しい挑戦に立ち向かおうとしているあたしが無理しすぎないように彼がリラックスさせてくれようとしているからだろう



「みやび・・いつつめのおまじない、かけてあげる。」

『・・・おまじない!!!聞かせて、きょう。』


そして橘クンはあたしを守ろうとしている
もうひとりの彼、恭になって




あたしにとって同僚のひとりに過ぎなかった橘クン
あたしを大切に想い続けてくれている恭


「みやびは、ベビーの命のリレーの第一走者になって、第二走者の俺にバトンを上手に見事に渡すことができる。」



あたしが耳にした、恭からのいつつめのそのおまじない


それによって、あたしは

『恭・・でもある橘クンがかけてくれたおまじないは絶対に叶う!』

「もちろん。」

『よ~し、やるぞ!今度こそ行ってきます!』

「待ってるから、いってらっしゃい。」


自分の中で勝手に別人にしていた橘クンと恭が
とうとう同一人物になったと改めて痛感した。


< 196 / 200 >

この作品をシェア

pagetop