鬼弁護士は私を甘やかして離さない
カーテンの隙間から日差しが差し込み私は目が覚めた。

ふとどこにいるのかわからなくなったが隣を見ると咲坂先生が隣で寝ていた。
私の腰に手を回しくっつくように寝ていて驚き大きな声が出そうになった。
それをぐっと我慢し状況の確認をする。

昨日先生と付き合うことになって、それでここでおしゃべりしてて眠っちゃったんだ……。
ソファから運んでくれたのかな?
ふと先生の顔を見ると普段のスーツ姿より少し若く見える。髪の毛を下ろしているせいなのかもしれない。
頬についたまつ毛を取ってあげようと手を伸ばすと、その途端私の手を握られた。

「真衣、おはよう」

「あ、おはようございます」

そういうとすぐに腰を抱いていた手に力が入り私をより引き寄せた。

あ……

朝から寝起きの先生の顔を見てドキドキしてしまう。
もういつもの鬼のような顔は思い出せず、昨日から優しい顔しかうかばなくなっていた。

「朝から真衣がここにいるなんて幸せだなぁ」

「先生、ちょっと恥ずかしいです」

「先生はやめよう。なんだか悪いことしてるみたいな気がしてくる。名前なら知ってるだろ?何度も俺の名前を書かせてるよな?」

「いやってほど書いてます、恵介さん」

「さんはやめて、呼び捨てにして」

「け、恵介」

するとまたギュッとされ額にキスが落とされた。

「最高!」

こんなふうに喜んでもらえるなんて思ってもみなかった。
胸の奥から温かいものが込み上げてきた。

「結婚式は何時から?送っていくよ。時間潰すからその後出かけない?せっかく真衣がドレスアップしてるんだろ?」

「あ、うん。11時からだよ。場所は品川なの」

「分かった。とりあえずシャワー浴びてくる?」

「ごめんなさい。そのままの姿で寝ちゃった。ベッドにも運んでくれたんだよね?ありがとう」

「役得だったよ。真衣をお姫様抱っこできたし」

そんなことを言われ私の顔はほてってきた。
最近体重計に乗ってない。それに少しウエストがキツくなった気がしてたから重くなってたはず。
恥ずかしくなるが、恵介は私の考えを見越し、「全く重たくなかったからな!そのまま抱きかかえていようと思ったくらいだからな!」と言ってくれた。

私はシャワーを浴び、メイクを治すとダイニングは出てきた。

「ごめんな、朝ごはんがなくて。とりあえずインスタントだけどスープだけ飲んでいって。支度もあるし自宅に帰るか」

「はい。でもうちはここから遠いんです」

「車ならそんなことないよ。気にするな。俺がしたいんだから。それに敬語はやめて」

「わかりました……じゃなくて、わかった。ありがとう」
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