鬼弁護士は私を甘やかして離さない
恵介の車は白のセダンでピカピカに磨き上げられていた。
財力の象徴であるかのようなネームバリューを持つこの車にまた驚かされた。

2人で乗り込むと私の家へ向かう。
近くのコインパーキングに停めてもらい、歩いて私の家に向かった。

恵介は車で待っていてくれるっていうけど私の支度の間ずっと待たせるのも申し訳がない。
それに式場まで車ならそんなにかからないからまだ時間がある。

「恵介の部屋を見てから私の部屋を見せるのは狭いし恥ずかしいの。だからあんまり見ないでね」

「分かった。でも真衣の部屋に上がれるだけで嬉しいよ」

私たちは日差しが強くなってきたにも関わらず手を繋いでいた。
恵介の大きな手に繋がれていると心から安心する。
汗をかいて恥ずかしいけどもう離しがたかったし、そばにくっついていたかった。

この2ヶ月、ご飯を食べに行ってどれだけ恵介が素敵な人か本当は気がついていた。
でも同僚だからと線を引いていたんだと思う。
それが外れた今、私は恵介の魅力に引き込まれてしまった。

「ここなの」

そういうと3階建ての2階にある角部屋へ案内した。
南向きの我が家は既に陽が入り込み温かくなってる。
クーラーをかけ、恵介に作り置きのアイスコーヒーを出した。

「まだ時間あるし朝食食べない?」

「ありがとう。じゃ、一緒にやろう。何したらいい?」

「チーズトーストをお願い」

私はパンとチーズを渡す。
その間にベーコンとコーンの入ったスクランブルエッグを作る。
バナナとヨーグルトを混ぜカップに分ける。

「ごめんね、こんな簡単なものだけで」

「いや、十分だよ。嬉しいよ」

そういうと恵介はまた額にチュッとキスをした。
私は額に手を当てる。
すると恵介は笑いながら「顔真っ赤」とからかうように言う。

もう!

2人でソファの前のテーブルで座りながら出来立ての朝ごはんを食べた。

食べ終えた恵介にはもう1杯アイスコーヒーを入れ、そのままリビングで待ってもらった。
私は隣の部屋で着替えを始め、メイクを少し華やかにやり直した。髪の毛も編み込みをいれながらアップスタイルにした。
部屋から出てくると恵介は私を上から下まで眺めていた。

「真衣が可愛すぎる。オフィスカジュアルな服とのギャップにやられる」

「え?」

「事務所だとわざと落ち着いた服装してるだろ。こんなレースのワンピースなんて着られたら俺の心を鷲掴みだ」

そういうとギュッと抱きしめられた。

「真衣、大好きだよ」

「私も」

そういうと恵介の背中に手を回した。
恵介を見上げると熱い視線が私を見下ろしていて、私は自然と目を瞑った。
すぐに温かなものが私の唇に触れてきた。
何度も何度も触れているうちに口が開いてしまった。
すると恵介の舌が、私の中に入り込み、舌を絡ませ合うようになった。

あ……

「ごめん、これ以上してたら止められなくなりそう」

そういうと恵介は頭をかきながら終わりを迎えた。
でも「もう一回だけ」と言って最後にチュッとまたキスを落とした。

私の胸はドキドキして、恵介がやめたことを寂しく感じてしまう。

「そんな顔するな。本気でやめられなくなる。結婚式行けなくなるぞ。続きはまた今度な。ほら、口紅塗り直して。俺が落としちゃったから」

また頭をかきながらいう。
確かに、少しだけ恵介の唇が赤くなっている。
私は笑いながら指で恵介の唇を拭き取ってあげた。

車に乗り、式場の前まで連れてきてくれた恵介は帰れる時間になったら連絡をするよう言い残し車を走らせていった。
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