鬼弁護士は私を甘やかして離さない
式場に着くと大学の頃の友達が数人すでに来ていた。

「久しぶり!」

「久しぶりー!」

みんなで久しぶりの再会に声を弾ませる。
知った顔をたくさん見つけ話に花が咲く。
そうこうしていると教会へ移動の時間となった。

新婦側の席へ着席すると讃美歌が流れ始めた。
扉が開きシルバーグレーのタキシードを着た綾人くんが入場してきた。

久しぶりに見る綾人くんは以前にも増して精悍な顔に変わっていた。髪型のせいもあるのかもしれないけれど月日が着実に経っていることを実感した。

続いて扉から美沙が父親とともに入場してきた。
ウエディングドレスを着た美沙は光り輝くようにキラキラして見えた。
ベールを下され、粛々と歩く姿を見るだけで私の目からは涙が溢れてきた。
嬉しいことも楽しいことも、辛い時も悲しい時も共に過ごしてきたとても大切な友達。
そんな美沙の大切な日に立ち会うことができて本当に幸せでポロポロと涙が溢れてきてしまった。
式の最中も神父様の言葉を聞いては泣き、讃美歌を歌っても泣き、周りの友達が笑うくらいに私の涙腺は緩んでしまった。

ブーケトスをするのかと思っていたら、美沙に呼ばれ直接手渡された。
耳元で小さな声で話しかけられた。

「真衣のこと大好きだよ。真衣にも幸せになってほしい。これからもずっと友達でいてね」

私は美沙にブーケを手渡され、また涙腺が緩み大泣きしてしまった。
そんな姿をカメラマンに撮られたが胸がいっぱいで涙を止められなかった。

披露宴に行く前に一度化粧室に行き、なんとか気持ちを落ち着けた。

神聖な空気の中で美沙を思う気持ちが溢れすぎてしまい少し恥ずかしくなってしまった。
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