鬼弁護士は私を甘やかして離さない
披露宴会場に入るとテーブルにつくと友達が既に着席していた。

ふと見渡すと隣のテーブルに斗真がいることに気がついてしまった。

慌てて視線を戻すと周りの友達が小声で話しかけてきた。

「ねぇ、斗真くんとはどうなってるの?」

みんな声をひそめているけど興味津々なのがみてとれる。

「うん、何年か前に別れたの」

「え?どうして?あんなに仲良かったのに」

みんなは聞きたさそうだが私はこれ以上話すつもりはない。
苦笑いを浮かべ、それ以上話をしない私にみんなは空気を読んでくれたのか聞き出すことはなかった。

式は滞りなく進み、私が友人代表として挨拶させていただく番になった。
とても緊張していたが今朝恵介と改めて文章を見直し、清書してきたから大丈夫。

私は高砂のそばまで進み、マイクの前に立った。
美沙とのエピソードを話し進めると、美沙が頷きながら涙を浮かべている姿が目に入ってきた。それを優しくハンカチで拭いてあげる綾人くんを見るとこれからの2人の未来が見えるようだった。
末長くお幸せに、と締めくくると美沙が私の方へ歩みを進め抱きついてきてくれた。

私はまた涙腺が緩み「幸せになってね」と声をかけた。

披露宴はお開きとなり、美沙のご両親からもお礼をいわれた。

私は恵介にメッセージを送り終わったことを知らせた。
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