鬼弁護士は私を甘やかして離さない
恵介が来るのを待とうと式場の外で立っていると斗真が声をかけてきた。

「真衣!」

驚いて振り返ると3年分大人になった斗真が立っていた。

「真衣。久しぶり。元気だった?少し話せないかな?」

「斗真……久しぶりだね。元気?」

私は斗真の顔をちゃんと見ることができなかった。

「真衣、少し移動して話さない?」

「……ごめん。この後予定があるの」

「もしかして、迎えが来るのか?」

「うん……」

「そっか。真衣は進んでるんだな」

切なそうな声色に私の胸は締め付けられた。
斗真とのことは吹っ切ったはず。
そんな声で話しかけないでよ。
私はこれ以上話すことはないが斗真はこの場から離れてくれない。

そうこうしているとさっき下ろしてもらったところに恵介の車が止まった。

恵介が車から降りてきた。
私と出かけるためにわざわざスーツに着替えてくれていた。
私に手をあげると隣に斗真がいることに気がついたのかこちらに近付いてきた。

「真衣、お待たせ」

恵介は斗真を見ると軽く会釈した。

「もう終わったんだろ?行こうか。それじゃあ失礼します」

斗真に声をかけるとさっと私の手荷物を持ってくれ、私の腰を抱き車に向かって歩き出した。

斗真は何もいわなかった。
私も振り返ることができなかった。
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