風雅堂異談
その日の夕方、川辺の家に向かう優。
体は優だが、意識はゆきである。
「ごめん下さい。」
「お~っ、二代目!待ってました。なんや雰囲気違いますな。きりっととして、益々男前だ。」
「お世話は結構。奥様は?」
「奥で寝てます。どうぞこっちです。」
奥の座敷に布団に横たわっている、川辺の家内。顔に生気はない。
優は、(この場合ゆきであるが)川辺の妻に無数に取り付く式神を認めた。
何事か呟くと、気合いを入れ気を発する。すると、嘘の様に今まで寝込んでいた顔に生気が戻った。
「お前、大丈夫か?なんや、顔色戻ったな。」
「あなた。何か夢見てたみたい。凄く良い気分。」
「風雅堂の二代目が、治してくれたんだ。お礼言え!」
「あ~ら、良い男。」
優を見つめる家内の頬が朱に染まるのを見た川辺。
「お、おぃ、お前もう少し寝とけ。」
無理矢理寝かすと、
「ありがと二代目。何とお礼言ったら良いか…」
「いや、本当に大変なのはこれからです。使い魔の気配消えたから、いよいよ実体が出て来ますよ。川辺さん、何か人に恨み買う様な事しました?」
「清廉潔白、質実剛健、品行方正のわしが、恨まれる訳がない。」
体は優だが、意識はゆきである。
「ごめん下さい。」
「お~っ、二代目!待ってました。なんや雰囲気違いますな。きりっととして、益々男前だ。」
「お世話は結構。奥様は?」
「奥で寝てます。どうぞこっちです。」
奥の座敷に布団に横たわっている、川辺の家内。顔に生気はない。
優は、(この場合ゆきであるが)川辺の妻に無数に取り付く式神を認めた。
何事か呟くと、気合いを入れ気を発する。すると、嘘の様に今まで寝込んでいた顔に生気が戻った。
「お前、大丈夫か?なんや、顔色戻ったな。」
「あなた。何か夢見てたみたい。凄く良い気分。」
「風雅堂の二代目が、治してくれたんだ。お礼言え!」
「あ~ら、良い男。」
優を見つめる家内の頬が朱に染まるのを見た川辺。
「お、おぃ、お前もう少し寝とけ。」
無理矢理寝かすと、
「ありがと二代目。何とお礼言ったら良いか…」
「いや、本当に大変なのはこれからです。使い魔の気配消えたから、いよいよ実体が出て来ますよ。川辺さん、何か人に恨み買う様な事しました?」
「清廉潔白、質実剛健、品行方正のわしが、恨まれる訳がない。」