教育的(仮)結婚~残念御曹司(?)のスパダリ育成プロジェクト~
次の瞬間、強く引き寄せられて抱き締められた。
そのまま髪に鼻先を埋められ、繰り返し「ありがとう」と囁かれる。
「亜美さん、君を」
その声は掠れ、わずかに震えていた。
「君を……俺に……くれるか?」
「私を?」
キスよりも先に進んでいいかと訊ねられたのだ。
瞬間、いろいろな感情が私の中で渦巻いた。
驚きと困惑、大学時代から私を脅かし続けてきた恐怖と苦悩――けれどもそれ以上に大きかったのは、圧倒的な喜びだった。
林太郎さんの真摯な瞳は今、強い欲望に濡れている。
これまでの私だったら、間違いなく彼の腕から逃げ出していただろう。
あの朝、先輩に押さえつけられた時の痛みも、ねばつくような視線もはっきり覚えているのだ。こんな状況に耐えられるはずがない。
ところが――。
「はい」
消え入りそうなほど小さな声ではあったが、私は答えを返し、林太郎さんを見つめた。
彼は心から自分を求めてくれている。その事実がたまらなくうれしかった。
「ありがとう」
林太郎さんが腕の輪を解いた。声をつまらせ、今にも泣き出しそうになりながら、右手を差し出してくる。
「行こう」
「ええ」
私は頷いて、その大きな渇いた手を握り返した。
そのまま髪に鼻先を埋められ、繰り返し「ありがとう」と囁かれる。
「亜美さん、君を」
その声は掠れ、わずかに震えていた。
「君を……俺に……くれるか?」
「私を?」
キスよりも先に進んでいいかと訊ねられたのだ。
瞬間、いろいろな感情が私の中で渦巻いた。
驚きと困惑、大学時代から私を脅かし続けてきた恐怖と苦悩――けれどもそれ以上に大きかったのは、圧倒的な喜びだった。
林太郎さんの真摯な瞳は今、強い欲望に濡れている。
これまでの私だったら、間違いなく彼の腕から逃げ出していただろう。
あの朝、先輩に押さえつけられた時の痛みも、ねばつくような視線もはっきり覚えているのだ。こんな状況に耐えられるはずがない。
ところが――。
「はい」
消え入りそうなほど小さな声ではあったが、私は答えを返し、林太郎さんを見つめた。
彼は心から自分を求めてくれている。その事実がたまらなくうれしかった。
「ありがとう」
林太郎さんが腕の輪を解いた。声をつまらせ、今にも泣き出しそうになりながら、右手を差し出してくる。
「行こう」
「ええ」
私は頷いて、その大きな渇いた手を握り返した。