俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
「美甘です」
「それ名字だろ?
とっくに知ってる。
亮と優と同じだしさ」
そう……ですよね……
「名前は……
璃奈……ですけど……」
自分の名前。
ゆったり波打つ髪に覆われた
桜牙コーチの耳に
届いたんだと思うと
ザワザワザワザワ
私の心が
忙しく騒ぎ出しちゃうから
困りもの。
「璃奈さ」
「はっ……はい!」
「返事の声大きすぎ。
朝のホームルームじゃないんだから」
だってだって。
色気のある低音ボイスで
呼ばれたんだもん。
私のこと。
璃奈って。
そりゃアタフタと
テンパっちゃうに決まってるよ。