俺の気持ちに気づけよ、バーカ!


「そんな俺が、亮を叱りつけたんだぜ。
 過去の自分はどうだったよって思ったら、
 自分の腹を殴りたくなったわ」


そう言いながら立ち上がり

体育館の壁に
背中をあずけた桜牙コーチは


「親にサッカーを
 無理やりやらされて、
 いやいや練習に来てる奴も
 いるんだよ」と

遠い目で、苦笑いをしている。



「今朝も
 練習が嫌だ!って泣きながら
 帰っちゃった子がいましたね」

「あいつは
 サッカーより絵を描きたいって
 よく俺にぼやいてたからな」


帰っちゃった子のお母さん。

大のサッカー好き。

自分の子を
国立競技場のピッチに立たせたい。

そんな夢を
よく私に聞かせてくれる。


親の期待が大きすぎて、
子供がサッカー嫌いに
なっちゃったんだろうな。

< 112 / 332 >

この作品をシェア

pagetop