俺の気持ちに気づけよ、バーカ!

なんだ、そんなことを
思っていたのかよ?

俺に嫌われるのが怖くて

手を握ってって言えなくて

俺の袖を掴んでいたのか。


わかってないなぁ。

俺が璃奈のぬくもりを
拒むわけないだろが!

大歓迎だっつうの。

24時間、年中無休でな。

ほんと璃奈って、可愛い奴。


でも、今ので
はっきり分かった。

この恋を
永遠に煌めかせるために
大事なこと。

それは……

『俺の気持ちを
 ちゃんと璃奈に伝えること』
だって。


そんなこと言ってもさ
俺は相変わらずのヘタレで。

璃奈とお揃いの指輪に
勇気が湧き出る魔法が
宿っているかって言ったら、
もちろん『NO』で。


俺の心の声を
全部さらけ出せるように
なるには、
一生かかると思うからさ。

俺の成長を、一番近くで
ずっと見守っていてくれよ。


俺の譲れない部分は
変えないまま

璃奈の理想の男に
少しずつ
すり寄せていくつもりだから。

< 290 / 332 >

この作品をシェア

pagetop