俺の気持ちに気づけよ、バーカ!
俺は、璃奈の肩に
片腕を巻き付けると、
横から強引に抱きしめた。
璃奈の耳に
生クリーム並みの
極甘な声を吹きかける。
「この先のクリスマスは全部
俺のために
予定を開けておけよ」
俺の腕におさまる璃奈は
ビクンと肩を跳ね上げた。
「この先って……
死ぬまで……ってこと……?」
震える璃奈の声が愛おしくて
俺はさらに
抱きしめる腕に力を籠める。
「この先、ずっとだな」
「私、来年からは
カフェの正社員だし……
クリスマスは二日間とも
働かなきゃいけないよ……」
ああ、そうだったな。
「じゃあ、仕事以外の時間を
全部俺によこせ」
「なんで……?」
こいつ、気づいて
いなんだろうな。
真ん丸な瞳で俺を見つめる
そのキョトン顔。
俺の目に映った瞬間
『他の男たちには
絶対に見せたくない!!』って
俺の心が独占欲に
支配されてるってことをさ。