俺の気持ちに気づけよ、バーカ!

「俺たち持ってないよ。
 スーツなんて」

「小学校の入学式に着たのは
 もう小さいしね」

「だよな?
 オマエら小6だもんな。
 じゃあ今度の土曜日、
 サッカー終わったら
 スーツを買いに行くぞ」

「えっ?」


驚く双子たち。

もちろん私も困惑で
「卒業式用?」って
聞き返しちゃった。


「百合園財閥が
 経営してるチャペル。
 今日、そこを抑えてくる」


えっつ?


「雨璃の親父が
 来月キャンセルでたって
 頭を抱えてたから。
 ちょうどいいだろ?」

「ちょ…ちょっと桜ちゃん。
 待って、待って!」

「水曜日だし。
 璃奈の仕事先のカフェ
 定休日だろ?」


私が確認したいことは
そんなことじゃないよ。
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