【コミカライズ】騎士様と合コンして狙い撃ちしたら、まさかの恋仲になれちゃいました。もう離れたくないと縋るので可愛すぎてしんどい。
 その時に、私からお祖父様の住む家に行ったのは、特に何か予感があったとかそう言ったものではなかった。近いうちにシャーロックと一緒に訪問したいというこちらの希望を伝えようと思っただけだ。手紙なら見る前に捨てられてしまうかもしれないから、向かい合って口頭で説明しようと思っただけ。

 まさかのその人がお祖父様を訪ねて来た時と重なったのは、ただの偶然だった。

 帰宅してすぐに顔見知りの使用人が、二人駆け寄って来た。

「エレノアお嬢様……今、旦那さまの元に、お客様がいらっしゃってて……」

「今は……お会いになるのは、やめておいた方が良いかもしれません」

 お仕着せを着ている初老の女性二人はお互いの顔を見合わせて、困惑顔だ。彼女たちはこの邸で働いている期間も長く、私が子どもの頃からここで働いてくれていて気心も知れていた。

 だから、なんとなく悟った。今来ている客人が、いつものような商談相手などの普通の客人ではないことに。

「……お祖父様は、今どこに?」

 私は不穏な空気に眉を顰めつつ、そう言った。

 この家を既に勘当同然に出てしまい、ある商会に雇われている一従業員の出来ることなどたかが知れている。だけど、お祖父様は今私の唯一の身内なのだ。彼から「お前など、出ていけ」と言われていても、それでも。

「それが……応接室に入られてから、旦那さまの怒鳴り声が聞こえて……いつもなら考えられないことです」

「お祖父様が……?」

 お祖父様は、自分の名前を冠する商会の代表だ。どんな事を言われても、長年商人をやっている者なら流してやり過ごす。

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