私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
席について注文すると、少ししてから料理とドリンクが運ばれてきた。


「深月さん! 烈華様メニュー、撮ってもいいですか?」

「うん。私も、真昼ちゃんの頼んだやつ写真撮りたい!」

「4つ一緒に並べた写真も撮りたいですよね〜。
……その前に、これ、開けてもいいですか?」


真昼ちゃんが真剣な顔で手にしているのは、2枚の紙製のコースター。

一品注文につき一枚、キャラが描かれたコースターがもらえるのだ。
……ただし、中身はランダムで、黒いビニールに包まれて見えないようになっている。

たかがコースター。

されどコースター。

私たちにとっては、宝くじの当選発表と同じくらい緊張感の高まるものなのだ。


「先に言っておきますけど、どちらが烈華様を引いても、恨みっこなしですよ?」

「……もちろん」


私たちは緊張の面持ちで、黒いビニールの糊付けをピリピリと開封した。


「……あぁっ!」


私は中身を確認した瞬間、思わず糊付けを閉じてしまった。
なんとか呼吸を落ち着かせていると、真昼ちゃんに見破られてしまう。


「深月さん、にやけるのを堪えようとしてるの、丸わかりです」

「……真昼ちゃん。奇跡って、あるんだね」

「え? ……あぁ!!」


『エレアル』の神様が、私に味方してくれたらしい。

私の貰ったコースターは、2枚とも烈華様の絵柄だった。

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