8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~2
後宮ではポリーが迎えてくれた。
「ポリー、私が手紙を書いている間、カイにお茶を出してあげて」
しばらくふたりで過ごさせるつもりでそう言いつけ、フィオナは別室で、オスニエル宛の手紙を書き始めた。
「かーたま、なにしてるの?」
「お手紙を書いているのよ。アイラ」
「おてがみ?」
「うーん。気持ちを伝えるもの、かな?」
アイラはフィオナの書いた文字をなぞるように指を動かす。
「アイラもかく」
「そう? じゃあ、お父様へのお手紙にいれましょうね。新しい紙をあげるから、こっちに書いてね」
シンディに新しい便箋を出してもらい渡すと、アイラはうれしそうにペンを掴んだ。しかし、手付きがスプーンの持ち方と一緒だ。これではまともな字は書けないだろう。
案の定、アイラはいびつな丸を書いていくだけだ。それでも、本人は満足げである。
すぐにオリバーも寄ってきて「も!も!」と叫び出す。どうやら自分も書きたいようだ。
「はい」
だが、オリバーに至ってはペンを持つこともできない。だが、手にインクが付いたせいで、紙には指紋が付いた。オリバーはぱっと笑顔になり、ペタペタとたくさん指紋をつけていく。
「きゃー! オリバー様、その手でどこでも触らないでくださいませ!」
最初に気づいたシンディが叫び、物音を聞きつけたポリーとカイが慌てて暴れるオリバーを捕まえる。
フィオナは苦笑しながら、オリバーの残した指紋だらけの手紙を見た。
なにが書きたかったのかはさっぱり分からないけれど、子供たちなりにオスニエルに伝えたい気持ちがあるのかと思えば、微笑ましく思える。
フィオナは急に素直な気分になり、報告を書き連ねた手紙の最後に、『滞在が長引くと聞きました。お体に気を付けて。早く会いたいです』と付け加えた。
「ポリー、私が手紙を書いている間、カイにお茶を出してあげて」
しばらくふたりで過ごさせるつもりでそう言いつけ、フィオナは別室で、オスニエル宛の手紙を書き始めた。
「かーたま、なにしてるの?」
「お手紙を書いているのよ。アイラ」
「おてがみ?」
「うーん。気持ちを伝えるもの、かな?」
アイラはフィオナの書いた文字をなぞるように指を動かす。
「アイラもかく」
「そう? じゃあ、お父様へのお手紙にいれましょうね。新しい紙をあげるから、こっちに書いてね」
シンディに新しい便箋を出してもらい渡すと、アイラはうれしそうにペンを掴んだ。しかし、手付きがスプーンの持ち方と一緒だ。これではまともな字は書けないだろう。
案の定、アイラはいびつな丸を書いていくだけだ。それでも、本人は満足げである。
すぐにオリバーも寄ってきて「も!も!」と叫び出す。どうやら自分も書きたいようだ。
「はい」
だが、オリバーに至ってはペンを持つこともできない。だが、手にインクが付いたせいで、紙には指紋が付いた。オリバーはぱっと笑顔になり、ペタペタとたくさん指紋をつけていく。
「きゃー! オリバー様、その手でどこでも触らないでくださいませ!」
最初に気づいたシンディが叫び、物音を聞きつけたポリーとカイが慌てて暴れるオリバーを捕まえる。
フィオナは苦笑しながら、オリバーの残した指紋だらけの手紙を見た。
なにが書きたかったのかはさっぱり分からないけれど、子供たちなりにオスニエルに伝えたい気持ちがあるのかと思えば、微笑ましく思える。
フィオナは急に素直な気分になり、報告を書き連ねた手紙の最後に、『滞在が長引くと聞きました。お体に気を付けて。早く会いたいです』と付け加えた。