月夜に笑った悪魔 SS
片手でズボンを脱ぐのは大変だろうけど、そこは頑張ってほしいところだ。
聞こえてくる布のこすれる音。
後ろを向いているうちに少し落ちつこう、って思ったのにぜんぜんダメ。
つい彼の裸を想像してしまって顔は熱くなるばかり。
……私、変態じゃないのに!
こんな想像なんかして、変態みたいじゃんか……っ!
音を聞かないように自分で耳を塞いで、私は落ちつけと何度も自分に言い聞かせた。
──そして数分後。
急に首に触れた、ヒヤリとした感触。
「ひゃあっ……!」
びっくりして、びっくりしすぎて大きな声が出て。
足が前に出た私は、ドンッ!とドアにぶつかった。
ぶつけたおでこ。
……少し痛い。