月夜に笑った悪魔 SS
今度こそ、中の下着まで完全にびしょ濡れに。
……なにしてくれてんだ、この男は!
起き上がってすぐに浴槽から出ようとするが、暁は私の手を離さず。
自分のほうへと引き寄せ、顔を近づけると唇にキスをおとす。
「んっ……」
唇にしっかりと伝わる柔らかい感触。
浴槽に浸かっているからか、いつもより彼の体温は高い。
……熱いくらいだ。
熱が伝わるのは数秒。
彼はすぐに離れて、私を見つめた。
「触れんのずっとガマンしてた」
「……今、触れてるじゃん」
「さっきまでガマンしてたけどもう限界。もっとキスさせろ」
「えっ、待──」
口を塞がれて言うのを制される。
待って、とも言わせてくれない。
言ったとしても暁がとまってくれるとは思えないけど……。