月夜に笑った悪魔 SS
「ゆっくり飲めば大丈夫だから!!」
私は口移しで飲ませるなんてことはせず、コップを彼の口につけてゆっくり傾けた。
不満そうな顔をしながらもごくりと動く喉。
ゆっくり飲ませているつもりだったけど、彼の口の端からは水がこぼれていく。
「ごめん……っ」
コップを置いて、手に取ったのは近くにあった箱ティッシュ。
ティッシュを手に取りそれで拭こうとしたけれど。
彼は自分の左手で拭った。
……本当に、コップくらいは左手でも持てたんじゃ?
「み、水はもう自分で飲んで」
はい、と彼にコップを渡そうとすると、暁は急にギプスをしている右腕をおさえて下を向いた。