メール婚~拝啓旦那様 私は今日も元気です~

「今さら、安西だと言いにくいんだよ」
ポツリとこぼすと、今西は脇腹を強く小突いてくる。

「痛てえな」
さすりながら、恨めし気に今西を見た。今西はやたらと脇腹を攻撃してくるのだ。

「初めからちゃんと言えばよかっただろ?訳のわからん展開にしたのはおまえ自身だ。それで?離婚するのか?」

「いや。灯里と本当の夫婦になりたいと思っている」

この決意は変わらない。灯里が受け入れてくれれば…だが。

「灯里ちゃんがいいと言えばな」
今西も同じ意見を述べた。

「それに、吉田をどうするつもりだ」

そう問われて、安西はガックリと項垂れた。
亜里沙は、いま、安西の悩みの種になっている。誘われるたびに断ってきたが、最近は会社でも遠慮なく馴れ馴れしい態度を取るようになってきた。

営業のエースである亜里沙に辞められると痛い。

経営者としての考えがちらついて、強く拒否できない。でも、全てはいい加減だった安西が悪いのだ。それもよくわかっていた。

「吉田に会社を辞められると痛いがしょうがない。吉田には明日はっきりと言うよ。それで、灯里には今日ちゃんと気持ちを伝える」

「自分で蒔いた種だ。しっかりと刈り取れ」

今西は最後に安西の脇腹をグンとこづいた。


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