契約結婚のススメ
「大丈夫。おじいちゃんには店番してくれるお弟子さんができたから」

「そっか。それはよかった」

 ロサンゼルス出張がどれほど長引こうともう構わない。陽菜がいるなら、どこだって天国だ。


 念のため精密検査をして、無事に退院した。

 森下が来たお陰で随分仕事のスムーズになった。俺の仕事は減り、余裕ができたところで東京とのリモート会議もお互いに無理のない時間帯に変更された。

「やればできるじゃないか。ピーター」

「ノーノー、ボス。誤解です。今までやらなかったわけじゃないですよ?」

 減らず口め。

「ピーター。とにかく、これ以上南城の仕事を増やさないでください。あなたたちで解決できないなら、解決できる人間と交代させますからね」

 森下の容赦ない一撃に、ピーターも、その隣のナオミも青くなる。

 まぁ実際のところ彼らだけが悪いわけじゃなく、彼らを信用しきれなかった俺にも反省すべき点があるわけだ。森下はそれをわかっていて俺の前で注意しているんだろう。

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