契約結婚のススメ
「はあ……」

「なにもかもめちゃくちゃにしたい! っていう気持ちなんだと思うの。今はね」

「そう、ですか……」

 なら、どうしたらいいんだ。俺は。

「まあがんばりなさいな」

 え。アドバイスはそれだけ?

 それから希子さんは、枇杷亭の現在の状況を詳細に語ってくれた。

 俺から経営コンサルタントの紹介を提案し、早速明日連絡を取り具体的に動くことになった。社長は現在叔父だが、株は俺と希子さんで抑えてある。叔父の息子はまともだから、今だけ乗り越えればというのが希子さんの見立てだ。

 まあなんとかなるだろう。というか俺がでしゃばってでもなにとかする。

 問題は陽菜だ。


「さあ、寝ましょうか」

 時計を見ればいつの間にか十二時を回っていた。

「浴室も着替えもわかるわよね?」

「はい」

 陽菜の父親がいよいよとなった時、しばらく俺も週末はここで寝泊まりしていたから、勝手はわかっている

 陽菜の部屋に俺の着替えもいくつか置いてある。まさか捨てられてはいないだろう。

< 191 / 203 >

この作品をシェア

pagetop