契約結婚のススメ
 枇杷亭については一貴さんと義母が、それこそお金と権力にものを言わせて牛耳った。

 叔父には銀座の店を渡し、縁を切ったという。

 早速叔父は店の名前を『枇杷亭 銀座店』から『枇杷亭 秋』と名前を替えて、完全に別会社になった。

 ちなみに叔母の名前から〝秋〟という一文字を取ってつけたとか。相変わらず叔父は叔母の尻に敷かれているのだろう。

 そしてなんと、叔父に変わって義母が、枇杷亭の女将になった。

 従業員一同にお願いされて、ようやく決意したらしい。


 そして月日は流れ――。翌年の春。

「あー」

「はいはい。どうしました?」

 私と一貴さんの子、双子は、もうすぐ生後六カ月になる。

 名前は、(みなと)(れん)、海にちなんだ漢字から、ふたりで相談してつけた。日々目覚ましい成長ぶりを見せてくれるのはうれしいけれど、目が離せなくて大変だ。

「よいしょ、と。今日は天気がいいからお散歩しましょうねぇ」

 双子用のベビーカーに湊と漣を乗せて、帽子を被せ。外に出たら。

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