契約結婚のススメ
 でも、困ったな。お見合い相手がまさかアキラさんだったなんて。まったくの想定外だ。

 キュッと唇を噛み、そーっと彼を見ると、考え事でもしているのか瞼を閉じていた。

 大きく息を吸って、まずは声をかけてみた。

「お久しぶりですね」

 ふと瞼を上げた彼はジッと私を見返してくる。

 うっ……。

「ああ、そうだな」

 強い眼差しに思わず怯んでしまう。

 怖じ気づいてる場合じゃない、なにとしても彼に受けいれてもらわなきゃいけないんだから。

 ここは一気に言うしかない。考えていたらいつまで経っても言えないから。

 席から横にずれて、勢いよく言い放ち、土下座する。

「お願いです。私と結婚してください!」

 三つ指を付き、頭を下げた後ゆっくりと顔を上げて、本気だと伝わるように彼の目をジッと見た。

「好きになってくれなくてもいいんです。浮気だってしてかまいません。形だけの妻で」

 再び頭を下げる。

「どうか助けてください。誠心誠意尽くしますから」

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